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「新しい文章力の教室」はWebで文章を書く人の最初の教科書としては最適です【書評】

2020年1月13日

新しい文章術の教室

いい文書とは何でしょうか?

「それは完読される文章です」

この本の初めに説明されている内容です。

 

いい文章って誰に向けて書くかで全く変わってくると思います。

ましてやWeb上では色々な人が見ています。すべての人に対していい文章と感じるものを書くということは正直いって無理だと思います。

それを「完読される文章」と定義するとスッと自分の中に入ってきました。だって誰かが完読してくれれば、それはいい文章だから。

 

そんな、いい文章の書き方をおしえてくれるのが

「新しい文章力の教科書 ~苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」です。

 

著者は音楽、漫画、お笑いなどサブカルチャーのニュースメディア「ナタリー」を運営するナターシャ取締役の唐木 元さんです。

「新しい文章力の教科書」は唐木さんが新人教育の研修に使われていた資料の内容をまとめたものです。ライティングのプロを育成する研修の内容が学べるという文章に関わる人には必見の一冊です。

私も読んでみましたが、メディアと個人という違いはありますがブログを書く上でもスゴく参考になる内容だったので簡単に紹介したいと思います。

この本をおすすめしたい人

  • ブロガーやWebライターを目指している人
  • 文章の書き方に悩んでいる人

この本で得られる知識

・文章構成の作り方
・読まれやすい文章の書き方

文章は書く前の準備で決まる

文章は書く前の準備で決まる

この本では文章を書くことを「プラモデル」に例えています。

プラモデルは説明書を読めば誰でも作れますよね?

文章も同じでパーツを用意して、組み立てる順番を決めれば完成度の高い文書が出来上がります。

ポイント

プラモデル:パーツ = 文章:事実

プラモデル:説明書 = 文章:構成

事実というパーツを集めて、そのパーツを適切な順番で並べ替えることで誰でも効率よく分かりやすい文章を作ることできるということです。

 

具体的には

  • 記事のテーマを決める
  • パーツ(事実)を集める
  • 説明書(文章構成)をつくる

この流れで構成をまとめる方法を「構造シート」と呼び、構造シートを繰り返し作ることで、記事を書くときにテーマと構成がすぐに把握できるようになります。

 

私が文章書くときにいつも悩むのが書き出しのリード文です。書いていったときに初めと最後の内容が変わってしまった時にも修正に悩みます。これは初めに文章の説明書がしっかりと作れていないから起きていたんですね。

テーマと構成が初めの段階で決まっていれば、テーマに興味を持ってもらえるようなリード文を書き、構成に沿って内容を肉付けするという作業で文章は完成します。

文書を書く上での基本を勉強させてもらいました。

 

この構成部分ができれば文書の7割は完成するとのこと。及第点は与えられるということですね。私もまず及第点を目指して頑張りたいです。

言葉づかいは文章の完成度の3割

言葉づかいは文章の完成度の3割

先ほどの、文章構成は文章の完成度の7割を占めるという話でしたが。のこり3割は「言葉づかい」です。この言葉づかいが難しいですよね。

残り3割の完成度を高めるためにライターはいつも文章と向き合っています。

 

この本は77のトピックで構成されていますが、その中の62のトピックが言葉づかいについて説明されています。それだけ言葉づかいは難しいということですね。

全部紹介すると62個の膨大な内容になるので、特に参考になった項目について紹介します。

 

重複を取り除くと文章は洗練される

重複を取り除くと文章は洗練される

文章を書くときに、よくやってしまうのが「重複」です。

 

例えば

参考

×:私友達会社人はお金持ちです。

〇:私の兄の友達が働いている会社の社長はお金持ちです。

これは単語レベルでの重複ですね。「の」が連続していて読みにくいです。

重複は2個までは注意レベル3個はアウトです。

 

他にも、文節レベルの重複となる文末の重複にも注意です。

参考

×:今日の朝ごはんはパンを食べました。飲み物は牛乳を飲みました
  デザートはバナナを食べました

〇:今日の朝ごはんはパンを食べました。飲み物は牛乳です
  デザートにはバナナにを食べました

小学生の作文でよくあるパターンですね。私も文章力ゼロだったので大人になるまで、このパターンから抜け出せなかったです。

文末のバリエーションをたくさん持っておくことで文章の読み味が変わります。

 

重複はマルチスケールでチェックが必要

先ほどの例題では文節レベルまでの重複でしたが、その他にもあらゆるレベルでのチェックが必要とのお話です。

 

具体的には

  1. 単語レベル
  2. 文節レベル
  3. 文型レベル
  4. 段落レベル
  5. 記事レベル

4番の段落レベルは初心者にはありがちです。比較記事など書くとやってしまいがちですが、同じ型が何度も続くと読者が飽きてしまいますね。

5番まで行くと、ブログでは重複記事とかになるんですかね。記事の重複はGoogleのペナルティを受けるので注意しましょう。

文章のスピード感をコントロールする

よく文章を書くときに言われるのが、端的に分かりやすく説明するです。

スピード間のある文章を書くということですが、なんでもスピード感のある文章が一番かというとそれだけではないというお話です。

スピード感もコントロールが必要です。

 

体言止めは読者に負担を与える

文書のリズムが変化して使いやすい体言止めですが、使いすぎには注意が必要です。

体言止めは読者に負担を与えます。

 

例えば、

ポイント

新作ゲームが1月15日に発売。

この場合、発売の後に続く言葉を読者が想像する必要があります。

参考

発売する(現在・能動)
発売される(現在・受動)
発売した(過去・能動)
発売された(過去・受動)

細かい内容ですが、積み重なると読者は疲労していき離脱につながります。

便利なのでよく使いがちですが、文末の重複にもつながりやすいので体言止めに依存しない文末のバリエーションを確保しましょう。

 

「こそあど言葉」は最小限に

コレ、アレ、ソレなどの「こそあど言葉」は、長い名刺の言い換えてくれるのコンパクトに文章をまとめられるので便利な言葉です。

ただし多用は、禁物です

 

例題です。

参考

×:その製品は当初1年で開発して販売を開始する予定だったが、意見が紛糾し追加
  の機能を盛り込んでいくうちに、それが遅れてしまった。結果、それが開始した
のは2年後だった。

〇:その製品は当初1年で開発して販売を開始する予定だったが、意見が紛糾し追加
   の機能を盛り込んでいくうちに、開発が遅れてしまった。結果、販売が開始した
   のは2年後だった。

例題では「それ」を指しているのが、「開発」なのか「販売」なのか分かりません。

「こそあど言葉」は便利ですが、できるだけ使わず具体的な言葉で文章を構成していくことで読者の負担が減ります。

まとめ:「新しい文章力の教室」は文章術の基本技術が盛りだくさん

まとめ:「新しい文章力の教室」は文章術の基本技術が盛りだくさん

今回は、この本の77のトピックの一部を紹介しました。

 

この他にも、いつも気にしていなかった内容ですがナルホドと思うトピックが盛りだくさんで非常に参考になりました。

1トピック1~2ページで内容が完結しており、端的に説明されているため読みやすく2時間もあれば読み切れちゃいます。

Webメディアの新人研修で使われている資料なのですごく分かりやすくて、ブログを書くときにもスグに使える内容でしたので、常に手元に置いておきたい1冊です。

 

ただブログの文章の参考書としては1点だけ注意が必要だと思います。それはメディアとブログは違うという点です。

メディアは基本的には間違った文章はNGですし、公平性が重要です。

対してブログは個人が発信するもので独自性が重要です。文章は崩したほうがその人の個性がでますし、個人的な意見がないとその人の独自性をだすのは難しいです。

文章の基本を押さえたうえで、どれだけ読者に刺さる文章を書けるかがブログの文章を書く重要なのかなと思ってます。

それだけ意識して読めば、Webライターとブロガーどちらの参考書としても最適な一冊だと思います。

 

この本の最後に書かれていますが、

「全てのルールは絶対ではない」

その人が意識してルールを崩しているのであれば、それは正解であって文章のルールにこだわる必要はないとのこと。

 

文章の基本技術を勉強しつつも、読者に刺さる自分独特の文章を書けるようになりたいと思わせてくれる一冊でした。

 


この本の内容まとめ

・文章は書く前の準備で完成度の7割が決まる
 ⇒「構成シート」を繰り返し作ることで7割の完成度に到達できる。
・残り3割は言葉づかいで向上する。
 ⇒読者の負担を取り除いていくことで文章は読まれやすくなる。
・全てのルールは絶対ではない。
 ⇒意思を持ったルールの逸脱はルール違反ではない。その人の個性になる。

 

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うりのすけ

フォートナイトが大好きでフォトナ歴1年半の3児の父です。 フォートナイト初心者の方がフォートナイトを楽しめるように初心者向けの情報を発信しています。 子どもに勧められて始めたフォートナイトですが、こどもに負けないぐらいハマってしまいました。 毎日、子どもたちが寝静まった夜中、練習に励んでます。

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